【現場訪問記】「検索して分かるなら、勉強しなくてよくない?」って、中学生に聞いてみた講座

初記事。NPO法人eboardの現場での取り組みや学びを蓄積・発信していこうということで、書いていきます。

eboardについては、こちら:eboard [いーぼーど] | 動画と問題で1から学べる無料学習サイト

 

今日は、eboardをご活用頂いている横浜市特定非営利活動法人 アーモンド コミュニティ ネットワークにお伺いしてきました。eboardを活用頂くようになって、2年ほどでしょうか。昨年度からは、総務省|教育情報化の推進|先導的教育システム実証事業(平成26年度〜)内「ICTドリームスクール」の実証現場としても、ご協力頂いています。

 

今回は、様々な家庭環境にある子にこそ、eboardだけでなく「ネットで学ぶ」ことについて、1時間ほどお時間を頂き、中学生向けにお話させて頂きました。最近は、先生やボランティアの方向けの「オトナ研修」が多かったのですが、やはり子ども相手の方が楽しい。反応が現場によって違うので、こちらもワクワクしながらできます。

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まずは、そもそもの「インターネットとは」というのを話した後、「ネットで学ぶ」っぽく、勉強に役立つツールや検索について、実際に端末を使いながら学びました。

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検索のやり方。最初は自由に探してもらって、その後「こんな探し方もあるよ」と話しました。皆さんも、「通分」で動画検索してみてください。

 

世界中とつながるネットがあれば、(知識としては)何でも学べる。

さらに、世界中の大学の授業がうけられるエデックスで学んだ モンゴル人の高校3年生が、同サービス内の試験で満点を取り、その後世界トップレベルのMIT(マサチューセッツ工科大学)に合格したんや、という話をしました。一時期、話題になりましたよね。まさに「ネットがあれば、何でも学べる」時代の象徴的な出来事だと思います。

 

そこでまぁ「ここからは宣伝やけど、真面目やよ」と前置きして、eboardもまさにそんなサービスで、みんながすぐにでも使えるものだよと話をしました。こんな時に使ってみよう!ということで、3つのパターンを紹介。すでに使っている子も含めて、自分が当てはまりそうなパターンで、少し学習してもらいました。

  1. (特に、じっくりと)復習したい時
  2. 授業でわからないところがある時
  3. 予習したい時

実際に、風邪で授業を休んでいた時の動画を見たら、すごくわかりやすかったとのこと。 さて、しかしですね、おじさんは嘘や隠し事が嫌いです。子どもだからこそ全部をぶつけて、「どう思うんだよ?」って聞きたい。「これで、みんな勉強できるよね☆」とか、教訓めいた話で終わるわけがありません。

 

「でも、検索して分かるなら、勉強しなくてよくない?」

こういう問いを、ぶつけたいわけです。あー楽しい。さらに検索だけじゃないで…おじさんは、こんなんも知ってるんや!

・写メで式を撮ったら、答えを教えてくれるアプリ

 Photomath - カメラ計算機を App Store で

スカイプ翻訳

 Skype 翻訳 | 音声およびビデオ通話の翻訳 | Skype

どやーこれで、数学も英語も勉強せんでええやろ〜と。特に数学のアプリは、実際に手元にあった学校の数学問題集を写メ。中2の計算問題とか、秒速でした。

生徒A「でも、途中式書かんかったらバレるで」(本性を出しやがったね☆)

なかむ中村(僕)「ところがこれ、途中式も出るんや。どや!」

生徒B「おー。でも、全部◯(正解)やったらバレる」

なかむ中村「1個くらい間違えとけばいいねん。俺もよくやった」

生徒一同「うんうん」

と…教育NPO代表とは思えないことをやりました笑。先生、すみませんでした。ここまで喋らんと(お互いに素で話さないと)、きちんと聞いてもらえません。

 

とどめは…なかむ中村「まぁでも、このアプリの名前は、教えられへんな」

生徒一同「検索したらわかるし」

おぉ、君ら学んでるな!その通り!

 

しかし、これで終わると、ただのダメな大人なので、投げかけました。

「人は、コンピュータにできないことを仕事にしないといけない。それじゃあ、

コンピューターに苦手なこと=人の仕事って、何になるだろう? 」

 

中学生、何て答えたと思います?

農業、伝統工芸、芸人 …

「君ら将来安泰やな…笑。まぁ確かにそうかも」

でも、意地悪な大人(僕)は「農業とか、スプリンクラーみたいなものに、コンピュータが入って、天候や条件に合わせて、自動で水やり とかしてくれるようになるよ」とか言います。

本当は、もっと考えてもらいたかったんですが、一旦「中村はこう思う」と、人ができる3つの要素を伝えました(正直わからんですが…)。

  1. 新しいものを(ゼロから)つくること
  2. 組み合わせること
  3. 気持ちに/を 伝えること

そして、そうした社会や仕事の変化によって、勉強も変わっていかなあかんと。国のえらい人や先生も頑張ってるけど、自分のことは自分で考えんとあかんよ!と。

 

こっからは、若干誘導してしまった感がありますが…(本当はもっとウンウン考えてほしい)、こんな表を見せて、学校での決まった勉強以外に、社会に出てからやまたそれに向けて「自分の力で学ぶ」「人と協力して学ぶ」のが、大事だと伝えました。そしてもちろんその土台には、みんなが今勉強していることや、それを通して学んでいることも大切。それが、組み合わさってこれからの仕事になるよ、と。

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正直、昔は「教えてもらったこと」を「決められた通り」にやっていれば、仕事になった。けど、みんなが大きくなる頃には、それはコンピューターに替わるところが多い。大変な時代になるけど、逆に言えば「決められたこと」ではなく、「自分がやりたいこと」にチャレンジできる、そういう時代でもあると、パッションしました(伝わったかなー?)。

 

ということで、結論!

eboardを「4. 自分の力で勉強したいとき」にも使おう!

と話しました。実は、eboardはそのために作ってるんだと。そして、eboadに限らず、

ネット、コンピューター = 自分で学ぶための最強の武器

とお伝え申し上げて、閉会と相成りました。

 

今回の学び

・実は検索や数式のアプリを教えた時、「これで勉強せんでええやん」となるかと思ったんですが、意外にも「これやったら頭使わへんやん」とすぐに言ってくれた子がいました(「テストでは、使われへんやん」と言う子もいましたが…)。

これは自分がいつも思うことなんですが、子どもほど「本物の学び」と「フェイクな学び」が分かってると思います。だから「何で勉強せなあかんの?」と聞くわけです。その学びが「面白くない」「役に立たない」と分かってるからではないでしょうか。

「頭を使うこと」に意味があるって、わかってるんですよね。

・現場のNPOの代表の方、職員の方にも聞いてもらっていたんですが、「これは大人でもすごく勉強になりました」とご意見頂きました。まさに、今大人が必死になって考えているテーマで、大人も子どもも一緒になって考えたいです。

 

※ 上記のようなアプリのせいで、勉強しないようになるのでは?と 思った方。安心して下さい。事後アンケートでは、「勉強での使い方がわかったけど、頼りすぎたらよくない」とか、「自分で学ぶことが大事と思う」とか、「eboardを使っていきたい(参加者全員)」など回答もらい、しっかりと本質の方を伝えられと思います。

 

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