学習サイトeboard、私なら塾でこう使う!

2017年6月より、学習塾向けに学習サイト eboardをご利用頂けるようになりました。

少しでも、日々子ども達に向き合われている塾の先生のお力になれれば…というわけで、タイトルの通り、学習塾での指導経験もあります(6年程度ですが…)私がご参考までに、「自分だったらこう使うな」というのをまとめてみました。

ケースとしては、私がもっとも経験の多い個別指導塾、中学生を対象で考えたいと思います。学力的にはばらつきはありますが、進学塾ではなく、たとえば定期テストで1桁のような子もいるくらいで想定します。

 

そもそも使うか、使わないか。

自分が教室長であれば、また個人塾の経営者であれば、来ている層の(点数的な意味での)学力がeboardの提供するコンテンツにフィットするのであれば、使います。来ている子のほとんどが、定期テストで80点以上取れるとかであれば、eboardを使う余地は少ないので、使いません。学習塾用の問題集や過去問も使いながら、より発展的な内容をやりたいです。

ICT教材で相当するのがあるかはわかりませんが、高校生で塾向けに提供されているところだと、学びエイドさんなどは受験レベルまで、豊富な映像授業があります。塾向けに提供されていなくても、昨今個人向けの映像授業サービスは、ハイレベルなものいっぱいありますよね。

eboardは、学校や学習支援現場で開発してきた教材ということもあり、進学層というよりは、「戻り学習」や「学び直し」を必要としている層がいれば、ぜひ使いたいといった感じです(例えば、数学で新しい単元を学習する際に、そこと関連する前の単元の復習をしないと授業についていけなくなってしまう、そもそも2年くらい前の内容から復習した方がいいなど)。

あとは、予算の問題。こうした何かを導入される時、主に講師の人件費や他教材の金額などど比較されるかと思いますが、他のICT教材と比較してもかなり安いと思います。

詳しくは、お問い合わせください:https://eboard.zendesk.com/agent/

 

「どう使うか」の前に…テスト対策と復習のイタチごっこ

個別指導塾で、上記の上位層ではない子を指導していて最大の課題になるのが、少なくとも初めの頃の私にとってそうだったのが、「テスト対策と復習のイタチごっこ」でした。特に定期テスト、〜40点くらいまでの子です。

学校の授業やテスト範囲は進んでいくので、それに合わせて既習内容のつまずきを何とかフォローしつつ、授業の予復習・テスト対策を進めます。もう、分数ができないとか、正負を間違えるとかが発生してしまうんですが、進めると決めたからには進めます。本人も納得感を持ってテストに臨むのですが、、、やはり、現在の内容は理解できていても、計算ミスやスペルミス、既習範囲で間違えてしまうのですね…

 

では!やはりこれは、戻って復習しよう!夏休みはそれに当てよう!となるわけです。たくさん自習に来てもらい、小学生の1年間を単元を絞ってやると、2〜3週で復習できてしまいます。「やればできる!」この調子で頑張ろうと、頑張ります。

ところが、あまりに復習ばかりを優先していると、学校の授業がおろそかになっていきます。しかし、戻ると決めたからには戻ります。すぐに結果はついて来ないかもしれない、でも最後に勝つのは我々だ…

もちろんそれで見事勝利したケースもたくさんありました。しかし、本人や保護者の意向からテスト対策とのバランスをとらなければならなかったり、本人の復習への意欲が下がってしまったり、うまくいかないケースもありました。

 

結論、どういうスタイルになるかというと、授業では、学校の授業やテスト対策を進めつつ、宿題や自習では、戻り学習を進めていく、というスタイルになります。そこで、宿題ができなかったり、自習に来れなかったりすると、なかなか結果はついてきません。「今日から君の放課後は、保護者の同意の上、私の支配下に置かれた」とか言ったり、関係を作ってサポートするのですが、そこには限界がありました。かつ、個別指導塾でなかなか点数としての結果が出ない生徒に、そこまで時間をかける講師は多くはありません。そんな経験が、eboardを立ち上げる原体験として、今も残り続けています。

 

では、どう使うのか。

個人的な経験に基づくところが大きいのですが、私であれば、宿題や自習で戻り学習を進めていくところで、eboardを使います。学校の授業、特にテスト対策は、各校や先生の色もあり、やはり個別に対策をしたいところ。学校や学習支援の現場でもそうですが、なかなか手の回りづらい「戻り学習」の部分でこそ、eboardをうまく使って頂くことができるのではないでしょうか。

そこで、ぜひうまく活用頂きたいのがステップアップシート。ステップアップテストを受けてもらい、その場でどこの単元ができていないかを診断してもらうことができます。もちろん先生が把握されている部分も大きいと思いますが、繰り返し受けることで、測りづらい「戻り学習」の成果を可視化することができます。eboardの単元とも連動しているので、すぐに復習を始められます。

以前、ブログにも書かせて頂いたのですが、ICTの個別学習教材は、ばらつきが大きい「戻り学習」や「学び直し」でこそ、力を発揮できると考えています。私の経験では、自習をしている生徒からしばしば「教えてください」と質問をもらいました。もちろん、空いている時間で指導はできるのですが、授業で見ている生徒がいると、やはりそちらが優先になります。「そこで(教えてもらえないからといって)くじけてしまえば、それまでだ」とも言えるのかもしれませんが、以前より子ども達の様々な環境や背景になったからこそ、(もちろん甘えさせるのではなく)その場にあったサポートを、選択肢を提示したい。

eboardには、問題ができなかった時・わからなかった時の解説という形で(も)、動画を見ることができます。わからないところは、まずは自分で解決してみる。勉強が苦手な子だからこそ、そうした学習の意識を持ってもらえるのではと思います

また、当たり前なのですが、ICT教材では学習の記録が残っていきます。苦手な単元、できないままにしていた問題、前の長期休みではどこまで復習したか、細かいデータを見ないでも、生徒自身が自分で利用できるデータがたくさんあります。

 

「私なら塾でこう使う!」

自分であれば、自習や宿題の教材としての扱いを主として、特に戻り学習が必要な子へのサポートに利用します。これは学習塾であっても学校であっても変わらないことですが、それを通して、私たちは子ども達に「自ら学ぶ力」を身につけてほしい力と思っています。それは時代や求められる学力が変わっても、それを支える根底にあるものだからです。

学習塾という現場でも、なかなかサポートが届かなった子ども達へ、先生方と学びの機会、ツールを届けていければ幸いです。